全数把握の見直しで 県が新たな運用発表

新型コロナウイルス感染者の全数把握が26日から全国一律で見直され、簡略化されるのに合わせ、和歌山県は「陽性者登録センター」の機能を拡充し、届け出対象外の軽症者などに対し、自主的な登録を呼び掛ける運用に切り替える。健康観察を行い、症状が悪化した場合の早期対応などを可能にするのが目的で、県福祉保健部の野㞍孝子技監は「自身の健康を守る意味でも、ぜひ登録してほしい」と話す。

今回の見直しにより、発生届けの対象者は65歳以上、入院を要する人、妊婦など重症化リスクの高い人に限定され、軽症者や無症状者らには連絡先などの詳しい情報を求めないため、体調が悪化した場合の把握が難しくなる問題がある。

県の新たな運用では、届け出対象外の陽性者は同センターに登録することで、国のシステム「マイハーシス」による健康観察、希望者への自宅療養支援物資の配布、血中酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターの貸し出し、療養証明の発行、症状悪化時の医療機関の案内など、全数届け出時と同様のサービスが受けられる。また、観察が必要な人の情報は、同センターと保健所で共有する。

医療機関を受診して届け出対象外となった人には医師から登録の案内を行うが、自主的な検査で陽性が判明した人は、登録しなければ県が感染を把握することができないため、登録への協力を呼び掛けていく。

見直しに伴い、把握が困難になる懸念があるクラスター(感染者集団)への対策については、医療機関、高齢者施設、障害者施設に対し、関連性のある複数の感染者が発生した場合、感染拡大が考えられる場合、死亡者があった場合に直ちに保健所に連絡するよう、すでに文書で通知した。

学校や事業所などに対しても、同じ所属で5人以上の感染者が発生した場合に報告を求める。

県は見直し後も、感染者全数の把握に努める方針を堅持。野㞍技監は「(届け出対象外の人に)登録をしてもらわないと、感染状況の全体像がつかみにくくなる。地域の感染拡大防止にも重要なので、登録にご協力をお願いしたい」と呼び掛けている。

抗原検査キットの送付や陽性者登録に関する問い合わせは陽性者登録センター(℡050・2018・3138、午前9時~午後5時)。

全数把握見直し後の県の対応を説明する野㞍技監

全数把握見直し後の県の対応を説明する野㞍技監

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