小舟に300体 淡嶋神社でひな流し神事

「桃の節句」の3日、和歌山市加太の淡嶋神社(前田智子宮司)で、女の子の健やかな成長と幸せを願う「ひな流し」があった。全国各地から奉納された5000体のひな人形が、白木の小舟2隻に乗せられ、海へと送り出された。

同神社の祭神・少彦名命(すくなひこなのみこと)と息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)は「おびな」と「めびな」の始まりとされている。

1年間に納められたひな人形を、本殿で清めのおはらいや祝詞奏上の後、みこが1体ずつ人形の顔を参拝者に見せながら小舟に乗せた。

女性がひな人形を積んだ小舟を担ぎ、神社から海まで運ぶ「雛舟渡御(とぎょ)」は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に続きことしも行わず、車で桟橋に運んだ。

前田宮司が祝詞を奏上し、災いや厄を人形に託して無病息災を願い、人形に感謝し神様の元にお返しするという意味を込め、海に流した。みこがまく紙吹雪が舞う中、参列者は海に浮かぶ小舟を見送った。市内の70代の女性は「これまでひな人形を納めたことはありましたが、見に来たのは初めて。神聖な儀式でとても感動した」と笑顔で話していた。

参拝者に顔を見せながら人形を積むみこ

参拝者に顔を見せながら人形を積むみこ

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