智弁、選抜初戦で敗れる 13残塁で好機逃す

第95回記念選抜高校野球大会は第2日の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で3試合が行われ、29年ぶりの春制覇を目指した県代表の智弁和歌山は、初戦の2回戦で英明(香川)に2―3で惜敗した。先発の𠮷川泰地と6回途中から救援した清水風太が力投。しかし、自慢の打線は11安打を放ちながら13残塁で好機を生かせず、Wエースを援護できなかった。

英明
智弁和歌山

〔英〕下村、寿賀、百々―中浦〔智〕𠮷川、清水―杉本▽二塁打=中塚、青山(智)

智弁の先発、𠮷川は初回を三者凡退に抑え、立ち上がりは好発進を見せ、2回の一死1、2塁のピンチも三併殺で切り抜けた。

2回裏、智弁は二死満塁の好機で、この回表に好守備を見せた2番濵口凌輔が遊飛に打ち取られ、先制とはならなかった。3回には、4番中塚遥翔が中前二塁打で出塁したが、後続が打ち取られた。

両チーム一歩も譲らないまま迎えた6回、5回まで3被安打に抑えていた𠮷川が二死1、2塁で相手の4番寿賀弘都に左適時打を打たれ、先制を許した。

直後の6回裏には、6番松嶋祥斗が左安打で出塁すると、その後、二死3塁から9番杉本颯太の中前適時打で同点に追い付いた。

6回途中から登板した清水は、8回に二死1、2塁で英明の5番中浦浩志朗に左適時打を浴びるなど2点の勝ち越しを許した。その裏、智弁は一死1、2塁の場面で清水が低めの直球を振り抜く中前適時打で1点を返し、反撃開始。続いて一死2、3塁と一打逆転の好機に英明の2番手、寿賀にアクシデントが起きた。

英明捕手の中浦からの送球が寿賀の左肘に直撃。治療による中断の後、一死満塁と攻めるが、寿賀のスライダーに対応できず残塁に終わった。

後がなくなった9回裏には、青山達史主将の二塁打で無死二塁の好機をつくるが、その後二死3塁の場面で代打の花田悠月が空振り三振に倒れ、智弁の短い春は終わった。

中谷仁監督は、攻撃で点が取れなかったことが敗因とし、「これがいまの私たちの実力です」と反省。英明先発の下村健太郎の投球については、「私たちの対策を上回る投球だった。その後の投手も気迫で抑えられた」と悔やんだ。

投打で奮闘を見せた清水は、力みなく投げることができたとし、「ツーシームの制球が定まっていてもスピードが出ていないので、夏に向けては同じ球を打たれないようにトレーニングを強化したい」とリベンジを誓っていた。

初戦で敗れ、悔しさをにじませる智弁和歌山ナイン

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