武道館Aが優勝 阿砂利剛先生追悼剣道大会

和歌山県の剣道界の発展に尽力した故・阿砂利剛さんへの感謝を込めた少年剣道大会(和歌山武道館剣道錬成クラブ主催)が24日、紀の川市花野の市民体育館で開かれた。団体戦は高学年(小学5、6年生)と低学年(4年生以下)の部が行われ、ともに同クラブAが優勝した。個人戦は幼学年(2年生以下)と中学生男、女の部が開かれ、幼学年の部では同クラブAの𠮷田真和士(まなと)さんが頂点に立った。

阿砂利さんは佐賀県生まれ。国士舘大学体育学部を卒業後の1969年に和歌山県教育委員会に採用され、剣道で選手としても国体など数多くの大会に出場し、活躍。県立武道館の館長も務めた。同クラブの指導などにも携わり、2012年には第30回和歌山市スポーツ振興賞、20年には全日本剣道連盟有功賞を受賞。昨年2月に75歳で亡くなった。

今大会の団体戦高学年の部には、13府県から計74チームが出場。3~4チームでリーグ戦の後、各リーグ1位の24チームで決勝トーナメントが行われた。

和歌山武道館Aは4チームのリーグ戦を3戦全勝で突破。決勝トーナメントでは5勝を挙げて頂に立った。京都太秦少年剣道部(京都)との決勝戦では、次鋒・楠本陽斗さん(11)と副将・小川龍伸さん(11)が引き分け、先鋒・西川結唯さん(12)と中堅・池野冬真さん(12)が勝利を挙げた。

決勝戦で面を2本決めた池野さんは、「優勝できてうれしい。自分が勝利に近づける気持ちで戦った。面が決まった瞬間は『よっしゃ』と思った」と笑顔。阿砂利さんについて、「幼稚園の頃から教えてもらい、今も指導が生きていて感謝している」と話した。

低学年の部では、11府県の75チームが争った。同方式で進められ、25チームの決勝トーナメントで和歌山武道館Aは、決勝戦で印南剣道場(兵庫)を下すなど5勝を挙げて頂点に立った。大将を務めた楠本一晴さん(9)は、「みんなでつないでつかんだ優勝。とてもうれしい」と振り返った。

幼学年の個人戦は75人がトーナメント形式で戦い、2年生の𠮷田さんが栄光をつかんだ。

大会委員長を務めた同クラブの小川泰伸大会会長(43)は、「盛大に大会を開催できた。チームとしても最高の結果を残し、阿砂利先生も喜んでくれていると思う」と話した。西山直人代表(52)は「お世話になった阿砂利先生に感謝の気持ちを込めて、それぞれが試合に挑みました」と話した。

団体戦の高、低学年の部を制した和歌山武道館剣道錬成クラブAのメンバーは次の皆さん。

【高学年】先鋒=西川結唯▽次鋒=楠本陽人▽中堅=池野冬真▽副将=小川龍伸▽大将=前田朔哉

【低学年】先鋒=出口弘翔▽次鋒=𠮷田真和士▽中堅=池野正規▽副将=小川陽夢▽大将=楠本一晴

団体戦を制した和歌山武道館Aの低学年(前列)と高学年(後列)の皆さん

団体戦を制した和歌山武道館Aの低学年(前列)と高学年(後列)の皆さん

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