現職の尾花さん3選  和歌山市長選

任期満了に伴う和歌山市長選は21日に投票、即日開票され、無所属現職の尾花正啓さん(69)=自民、公明、立憲民主、国民民主推薦=が無所属新人で前市議会議長の𠮷本昌純さん(65)との一騎打ちを制し、3回目の当選を果たした。市北部の安定給水対策、子育て支援などが主な争点となり、将来にわたるIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致の是非も問われる中、尾花さんが幅広く支持を集めた。

尾花さんは、財政再建により市の借金を減らしたこと、子ども医療費無償化の拡充などの福祉予算の増加、和歌山城ホールや市民図書館の整備、まちなかへの大学誘致などを2期8年の実績としてアピール。市北部への新浄水場整備、交通不便地域でのコミュニティーバス運行などの政策を訴えてきた。推薦を受けた4党の国会議員、地方議員らが応援し、組織力を背景に戦いを優位に展開した。

𠮷本さんは、尾花市政には「市民一人ひとりの声が届いていない」と訴え、特に、市民が直接請求したIRの是非を問う住民投票条例案に反対したことを強く批判。自身は将来にわたりIR誘致に反対を明言し、共産党の自主的な支援に加え、IRに反対する市民団体などの熱心な応援も受けたが、現職の地盤を崩すまでには支持を広げられなかった。

 

「市の成長さらに前へ」

開票作業が始まった午後8時すぎ、当選確実が早々と報じられ、屋形町の尾花さんの選挙事務所は大きな拍手に包まれた。すぐに姿を見せた尾花さんは、集まった支援者と万歳三唱し、花束を受け取り、笑顔で喜びを分かち合った。

尾花さんは3期目に向けて、「市民との対話を重視し、市民目線で、『できない』と言わずにできる工夫をする。これまで一つずつ積み重ねてきた和歌山市の成長を、さらに前へ進めていきたい」と決意を述べた。

さらに、経済の活性化、安全な水道供給体制の構築などに取り組むと強調。福祉では、子育て支援の充実、高齢者や障害者が安心して生きがいを持って暮らせる社会を実現したいとし、「福祉を持続するためにも財源が必要。経済の成長をしっかりと両立させたい」と話した。

事務所スタッフから花束を受け取る尾花さん

事務所スタッフから花束を受け取る尾花さん

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