世界津波の日 高校生サミット開催 予想高34㍍の高知県黒潮町にて

二階 俊博

 南海トラフ巨大地震の津波予想高34・4㍍が予想される高知県・黒潮町。予想が発表されて以降、常に「34㍍巨大津波」と向き合ってきたこの町に、世界30カ国360人の高校生が集いました。11月25日・26日の両日、「世界津波の日 高校生サミットin黒潮」が開催されました。

 私たち郷土の偉人である、濱口梧陵の「稲むらの火」にちなむ11月5日が国連で「世界津波の日」と制定されて、第1回目である本年の最大イベントとして、世界高校生津波サミットが開催されました。

 本年3月、私がニューヨークの国連本部で高校生サミットの開催を提案して以降、高知県や黒潮町をはじめ、事前現地学習の受け入れに協力いただいた、宮城県・和歌山県等、関係者の理解のもと準備を進めてまいりました。

 内外の関係者に呼びかけをはじめると、すぐさま海外29カ国、国内35の高校から参加の申し出がありました。和歌山県からも日高高校が代表として参加しました。数カ月に及ぶ事前準備の間、子どもたちは、自然災害をテーマに文化や習慣、言語の違いを乗り越えながら当日を迎えました。

 サミットの総会では、安倍晋三内閣総理大臣からビデオメッセージが寄せられ、私も「世界津波の日」提唱者として総会に参加いたしました。また、和歌山県からも仁坂知事、和歌危機管理監も現場に足を運ばれて、会議を見守っていただきました。

 会議は全て英語で行われ、議長を務めた高知県大方高校1年生の生徒2名は堂々と総会の進行を行いました。サミットでは各国の高校生がグループごとに、津波防災に関するテーマを議論し意見をまとめていきました。また、実際に黒潮町で行われている、避難訓練の実施や津波タワーの見学等、多彩なプログラムが実施され、子どもたちの目は真剣そのものでありました。

 サミットの最終日には各国の意見を集約し、防災・減災の重要性を訴える「黒潮宣言」を採択しました。(全文は黒潮町ホームページに掲載)

 子どもたちが議論を尽くした、具体的な宣言・発表はどれもまさに心をうつものであり、特に東日本大震災の経験や復興の現状を訴えた、宮城県石巻市の高校生の発表は心に響くものでありました。

 「稲むらの火」から「世界津波の日」が生まれ、「高校生サミット」を通じて、津波防災の重要性が国境や世代を超えて語り継がれる様子を見ながら、今回の取り組みは大成功であったと確信しました。

 自然災害で失って良い命は世界のどこにもありません。

 日本が世界の先頭にたって、津波防災の重要性を訴えていかなければなりません。また、私たち和歌山県も県民あげて取り組まなければなりません。

 私自身、政治に携わる者の責任としてこの問題と戦っていく覚悟を改めて誓うものであります。(高知県黒潮町にて)

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