広川の日本遺産認定に喜び 県博、和工の文化財PJを世界へ

浮島 智子

先週、うれしいニュースが飛び込んできました。文化庁が認定する日本遺産が5月24日に発表され、和歌山県からは『「百世の安堵」~津波と復興の記憶が生きる広川の防災遺産~』(広川町)が選ばれました。
これは、安政元年(1854)の安政南海地震の際、夜だったため、稲のわらに火をつけて村人に津波の襲来を知らせて避難誘導し命を救った濱口梧陵ゆかりの濱口家住宅や広村堤防、濱口梧陵記念館、稲むら、津浪祭等で構成され、江戸時代から広川町に伝わる防災の遺産と災害の記憶を物語るストーリーです。
また、和歌山県議会の初代議長を務めたのが濱口儀兵衛(梧陵)です。日本遺産の制度につきましては「世界遺産があるなら、日本の素晴らしい文化や伝統を日本遺産として認定してはどうか」と2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が決定してから提案させていただき、2015年からこの日本遺産の制度がスタート。私は当初から県内の市町村長さんや議員さん等々とお会いした際などをはじめ、至るところで「日本遺産への申請を!」と訴え続けてきただけに、喜びはひとしおです。これにより和歌山県内の日本遺産の認定は、熊野灘の捕鯨文化『鯨とともに生きる』(新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町)・『絶景の宝庫 和歌の浦』(和歌山市、海南市)・『「最初の一滴」醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅』(湯浅町)に引き続き4件目となりました。
今回の認定により地域の観光客誘致や地域振興の促進に役立てられることが期待されます。
今月7日、私が委員長を務めています「公明党文化プログラム推進委員会」の視察で推進委員会の中野洋昌、鰐淵洋子代議士、公明党和歌山県本部所属の6人の和歌山県議、和歌山市議で、和歌山県立博物館と和歌山工業高校を訪問させていただきました。和歌山工業高校では、産業デザイン科の生徒が、文化財の形状を視覚障がい者にも分かりやすく伝えるため、3Dプリンターを使って、触って鑑賞できるようレプリカ(複製)と触って読む図録を作成。文化財レプリカは所有者に提供し、地元地域では「高校生がとても上手に作ってくれて、ずっと守っていきたい」「お身代わりとして大切にしたい」との喜びの声が寄せられています。今回の視察の後、今月16日の衆院文部科学委員会で地域振興などのために文化財を活用しやすくする文化財保護法改正案などについて「多くの地域に創意工夫のある取り組みを広げてほしい」と質問致しました。林芳正文科相からは、改正案の意義について「地域のさまざまな文化財を街づくりなどに生かしつつ、次世代に確実に継承できるよう、地域社会が総がかりで広く推進をめざす」とお応えいただきました。
そして、このほど、この地域とともに文化遺産の継承を担う新たな博物館の取り組みを、『“未来”へ守りつなげるWakayama Project―和歌山「わかもの・文化財守り隊」―』と名付け、全国へ、世界へと広げていきたいと思っています。

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