学びを諦めない社会の実現へ 奨学金や授業料減免の対象拡大

浮島 智子

3月9日、和歌山県串本町で多くの方の夢と希望と願いが詰まった、小型ロケット「カイロス」初号機。私も見学会場で固唾をのんで見守っておりましたが、安全確保のための警戒海域に船舶が残っていたため延期されました。
日程をあらため、3月13日に打ち上げられましたが、直後に何らかのトラブルが発生して機体に備えた装置が作動し、ロケットは爆発して打ち上げの成功とはなりませんでしたが、スペースワンの豊田正和社長は、「『失敗』という言葉は使いません。全て今後の新しい挑戦に向けての糧」と述べ、次のチャレンジに向けて意欲的に取り組んでおられます。
見学会場には、多くのお子さんもいらしていましたが、決して諦めることなく、挑戦する姿勢は子どもたちの教育にも大きな示唆を与えるものと期待しています。和歌山県の地方創生や経済の発展にもつながるこの挑戦を、今後も力強く支援してまいります。
高等教育の負担を軽くする、大学・専門学校などに通う学生への給付型奨学金や授業料減免の対象が、2024年4月から中間所得層の一部にも広がりました。これまでは年収約380万円以下の世帯が対象でしたが、4月からは年収600万円程度を上限とし、扶養する子どもが3人以上の多子世帯と、私立学校の理工農系の学生が加わりました。
支援額については、多子世帯は満額(私立大生で年最大約160万円)の4分の1、私立理工農系の学生は文系授業料との差額相当額です。新入生だけでなく、すでに在学中の学生も対象で、4月以降に在籍校を通じての申請となります。
今回の拡充の対象者は約19万人を見込んでおり、24年度の制度全体の対象人数は約72・7万人になると試算しています。現制度の利用者が約33・7万人だったことを踏まえると、大きく利用が拡大します。
また、ご要望が多かった、貸与型奨学金を返している若者の皆さんも、ライフイベントに合わせて、月々の返還を柔軟に変えられる減額返還制度へと見直しました。
月々返還額が減る分返還が長期化しますが利息は増えません。今回の改正により、返還中の20代の方は、約8割までカバーできます。今春、大学などを卒業する人や現在返還している人を対象に、制度を利用できる年収上限を325万円から400万円に引き上げました。
また、4月から、「家族滞在」の在留資格を持つ外国人の学生について、日本学生支援機構が実施する奨学金制度の受給対象に、一定の要件を満たす学生などが加わることになりました。これは、22年2月に、「子どもの夢応援ネットワーク」の皆さまよりご要望をいただき、昨年7月に、政府へ要望書を届けました。
3月13日の衆議院文部科学委員会にて、私が質問をし、盛山文科大臣に「家族滞在」の在留資格を持つ学生について、「大学卒業後も日本で就職し、日本社会の一員として活躍したいと思っている学生がいる」と指摘し、奨学金の受給対象に加えるべきだと訴え、大臣が対象を追加することを表明しました。
また、現場からご要望が強くありました、経済的な事情で大学などへの受験を諦めざるをえなかった、児童養護施設などで生活する受験生に対して寄付を募り、日本学生支援機構(JASSO)が、1人当たり20万円を支援する制度を創設し、昨年5月から今年2月末まで申請を受け付けたところ、500名を超える方々が申請をされ、支援を実現することができました。
対象は、24年春に高校を卒業、または卒業後2年以内の生徒の方で、児童養護施設、児童自立支援施設、児童心理治療施設、自立援助ホーム、ファミリーホーム、里親などの元で生活し、申請時点で就職しておらず進学を希望して受験することが条件です。
20万円の支援金は受験料や交通費、宿泊費などに充てることができ、使い切らなかった場合も返還の必要はありません。
このように公明党は現場のお声を形にするため全力で取り組んできました。
経済的な理由で学びを諦めることがない社会の実現に向け公明党はこれからも全力で取り組んでまいります。

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