政策メニュー示し財源論を 防衛費、少子化対策など丁寧に

世耕 弘成

1月23日に第211回通常国会が召集されました。6月21日までの150日間、国会論戦が行われることになります。開会後に行われた岸田総理の施政方針演説は、歴史の転換点を迎え、国内外のさまざまな課題に取り組み、必ず結果を出すという覚悟が感じられ、今国会のスタートに弾みをつけるものになりました。
また、昨年末の臨時国会閉会後から今国会までの間においても、防衛三文書の改定、防衛費の大幅増額とその背景となる財源問題、原子力発電所の建て替え(リプレース)を含むGX(グリーントランスフォーメーション)の基本方針など、重要な決定がいくつも行われました。丸3年が過ぎた新型コロナウイルス感染症については「2類相当」の扱いだったものを、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針を決定しています。
防衛費については財源確保が重要です。まずは歳出削減を徹底し歳出構造を改革するほか、決算剰余金の活用、新たな「防衛力強化資金」の創設などを行い、足りない分は税で補うという状況です。現在、自民党内で政調会長の下に「防衛関係費の財源検討に関する特命委員会」を設置し、議論を重ねています。税以外の大きな3項目について、できるだけ最大化する努力をしていくことが政治の責任であると私は考えています。
少子化・人口減対策も喫緊の課題です。和歌山県でも人口減に歯止めがかからない状況です。
深刻な少子化・人口減の原因については色々なファクターがありますが、育児休業中の所得補償、教育費や教育以外にかかる育児費用の問題など、「出産や子育てにはお金がかかる」ということが大きな原因の一つになっています。政府や民間が実施しているアンケート調査でも、2人目を産むことを躊躇する理由として「経済的な理由」という回答が圧倒的な割合を占めています。この「お金の問題」を解決していく中で、児童手当の拡充を図るということは妥当な方向性であり、年収制限の撤廃や、制限ラインの大幅引き上げ、支給対象年齢の拡大などをしっかり議論し、早急に対策を考えていかなければなりません。
最近、さまざまな政策について財源論が先に出る傾向がありますが、どの政策においてもまずはメニューをしっかり示すことが重要です。その上で必要な財源を算出し、また、その財源の中で「政府の努力によって捻出できるもの」「国民の皆さんに負担のお願いをしなければいけないもの」をしっかり分けて説明していくことが必要なステップとなります。国民の皆さんに深く理解していただくために、国会において充実した審議を行い、政府が分かりやすく、丁寧に説明することを期待し、しっかり求めていきます。

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