南紀白浜空港の「機材大型化」実現 和歌山県の交流人口拡大に追い風

二階 俊博

去る8月21日、日本航空㈱(JAL)より南紀白浜空港と羽田空港を結ぶ定期便の「機材大型化」が発表されました。これにより、本年10月27日より、1日3往復6便のうち、朝と夕方の2往復4便がボーイング737―800(165席)となり、従来のエンブラエル190(95席)と比較し70席の増席が実現することとなりました。
この「大型化」実現のために仁坂吉伸知事を先頭に関係自治体の皆さまの大変熱心なご要望を受け、私自身、日本航空とも度重なる協議の場を設け、実情を伝えてまいりました。
南紀白浜空港は現空港が平成8年に供用開始されて以来、利用者が低迷する苦しい時期もありましたが、ここ数年は高速道路の紀南地方延伸に伴う利便性の向上や、IT関連企業の進出、小型ロケットの発射場建設決定によるビジネス需要の高まりによって、毎年搭乗率が過去最高を記録しています。私自身、毎月、白浜空港を利用する機会がありますが、うれしい悲鳴というか、満席で予約が取れないことも何度か経験しました。
このような状況を受け、日本航空の植木義晴会長と話し合いを続けてまいりましたが、日本航空の英断により「大型化」が実現する運びとなりました。これにより、私たちの故郷である和歌山県を国内・海外の皆さまにより多く訪れていただくチャンスが拡大したといえます。また、これまで地元の皆さま方から要望の多かった運賃は、この機に一部について約20%程度の値下げが実施されます。利用者にとっても、より使いやすい価格となることは喜ばしいことであります。
しかし、喜んでばかりはいられません。私たちはこのチャンスを必ず活かして、地域の更なる発展につなげていかなくてはなりません。具体的には「大型化」に伴い、搭乗率を向上させることが何よりも重要です。
なぜならば紀南地方を含む、和歌山県を取り巻く環境は今後、劇的な変化が予想されるからであります。「紀伊半島高速道路一周」の実現、「大阪・関西万博」の開催、更には和歌山県が誘致に尽力している「統合型リゾート」の展開等、まさにビッグプロジェクトが次々と控えています。そのような環境変化に対応するためにも、南紀白浜空港の便数拡大やLCCを含む首都圏との間を結ぶ新規路線誘致や国際チャーター便誘致、ビジネスジェット機受け入れ施設整備等を通じて、南紀白浜空港の機能強化はまさに「愁眉の急」と言えます。
今年度より空港運営を担う㈱南紀白浜エアポートにも大きな期待を寄せつつ、当面は2028年度の利用者数25万人の目標に向け、私自身、地域や関係者の皆さまとともに空港活性化に取り組んでまいりたいと思います。
私はこれまでの政治活動を通じて、「観光」の発展をライフワークとし推進してまいりましたが、観光産業の発展は「平和」の象徴といっても過言ではありません。観光立国を目指す日本において、故郷・和歌山がその先頭にたち、この平和産業を牽引していくことを改めて誓いたいと思います。

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