大学の強み引き出す文科省に わいせつ教員根絶の立法成立を

浮島 智子

今春、旧和歌山市民図書館跡に新設されました和歌山リハビリテーション専門職大学に視察に行ってまいりました。専門職大学とは、大学改革として55年ぶりに2017年5月24日の学校教育法の改正によって設けられた日本の職業大学で、既存の大学とは異なり、実習や実験等を重視した即戦力となりうる人材の育成を目指す目的で設置されるものです。同校では、理学療法学専攻と作業療法学専攻からなり、高齢化社会で需要の高い理学療法士や作業療法士を和歌山県内で育成し、地方創生に向け、「和歌山を未来に繋ぐ」ことを建学の理念・目的とされています。新しく出発した同校に大いに期待しています。
私は、かねてから夜間中学の重要性を質問してきましたが、4月14日の衆院文科委員会でも、さまざまな理由で学校に行けない子どもたち一人ひとりに光をあてた教育を実行するために夜間中学が大きな役割を果たすことについて質問しました。本年1月25日の衆院予算委員会では、菅総理が、夜間中学校について「今後5年間ですべての都道府県と政令指定都市に少なくとも一つ設置されることをめざし、取り組む」との画期的な答弁をされましたが、それに向け具体的な行程表を作成し、知事や市長、総務省と連携・協力しながら確実に実現しなければならないと提言致しました。
また、4月21日の文科委員会で、国立大学法人法改正案において、「学長のリーダーシップ」と「良識と見識に基づいた学長に対するチェックや牽制」とのバランス、「卓越した学術研究の多様性の確保」と「優れた研究成果を社会的な価値の創造へと結びつける戦略」とのバランスのそれぞれをどう保つかという観点から、どのような工夫や仕掛けがこらされているか。さらに、大学ファンドの創設も踏まえ、今後、それぞれの国立大学が、「世界に伍する研究大学」や「特定分野においてエッジの効いた特色を持つ大学」、「地域の知恵袋として地域に貢献する大学」などと自らのミッションを明確にしつつ、それを伸ばしていく「攻めの経営」を行うに当たっては、文部科学省は、未来社会を構想しながらそれぞれの大学の強みを引き出すためのコンサルタント、よき助言者にならなければならないし、国立大学行政に携わる職員の専門性をさらに高め、ネットワークを拡大して、国立大学から頼りにされる文部科学省にならなければならないとの質疑を行いました。
学校は、子どもたちにとって、安全・安心な場であります。また、教員は、子どもたちが信頼している大人の一人であります。しかし、わいせつ行為をする教員があとを断たない。子どもたちが、安全・安心に学校に通えるように、わいせつ教員から生徒を守るために「与党わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチーム(以下WT)」を3月1日に立ち上げ、共同座長に就任した件は前回も書きましたが、その後、WTでは、有識者によるヒアリングなどを10回行い議論を重ねてきました。現行法では、子どもへの性暴力で免許が失効した教員でも、3年で免許が再取得できることになっていますが、WTでまとめた条文案では、教員への免許の再交付にあたっては、各都道府県の教育委員会が「再び免許を与えるのが適当であると認められる場合に限る」と規定し、拒絶することができる裁量権を認めています。また、「教育職員等は、児童生徒に性暴力等をしてはならない」禁止規定を入れました。子どもたちの健やかな成長と人権を守るため、今国会での成立を目指してまいります。

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