和歌山の願い実現へ「歩く」 平成26年度予算と陳情活動

門 博文

 年度が新しくなりました。4月1日からは消費税が5%から8%へと変更されました。安定した社会保障制度の維持が図られるよう国民への負担を願ったところであります。アベノミクスによる景気回復が今、緒についたところです。この流れを逆行させることのないようにこれからの四半期(3カ月)は特に、この増税の影響と景気を両にらみして慎重な経済運営が行われなければなりません。ひとたび景気回復が鈍化することは予想されていますが、その期間や程度が予想を超えた場合は、早急かつ的確な対策を打たなければなりません。

 さて、新年度予算は二階俊博衆議院予算委員長の辣腕(らつわん)によって歴史的なスピードで無事成立し、年度初めから順調に執行されることとなりました。私たちの和歌山にとってもさまざまな予算が計上されました。特に念願の道路の整備には近畿自動車道紀勢線(田辺~すさみ)に332億円。第二阪和国道(和歌山岬道路)には和歌山側に28億円、大阪側に43億円、そして京奈和自動車道には200億円と、県民が待望していた夢をかなえられるよう大きな予算を獲得することができました。3年あまりの政権交代の期間にこれら道路の整備がままならない時期がありました。その止まった時計の針を再び進めるべく、大きなそして十分な予算となりました。

 この予算獲得の背景には地域からの強い要望がありました。地域からの積極的な働きかけにより政治が動き、国が役所がそれに応えていく。まさにこの「陳情」の仕組が蘇ったのであります。先の政権ではこの地域からの陳情の声を受け入れ対応していくことが非常に窮屈な状態に追いやられました。しかし、一昨年の再びの政権交代によって今までボトルネックとなっていた流れがスムーズに流れ始めるようになったのです。国土交通省や総務省、農林水産省とそれぞれの官庁のロビーには人が溢れています。このような姿を「是」としない意見もありますが、私はそれぞれの地元から色々な願いを直接伝えに来ることで、現場の「生」の声や温度や空気を伝えることができると思います。また、その要望を持ってきた人たちも「責任」という自覚がさらに増します。

 本年度のこの予算も、一昨年の補正予算、昨年の本予算、補正予算に続いて特にこの和歌山の願いや思いをかなえてくれる結果となりました。私たちは来年に紀の国わかやま国体を控え、これを機にさまざまな地域の長年の懸案を解決していこうと取り組んでいます。特に今、触れました道路の整備はその最たるものです。残された期間はあと一年とわずかですが、ぜひこの悲願を達成できるよう、来年度の予算に向けても今日から新たな要望活動をすすめていかなければなりません。

 「営業」――私は自分が霞ヶ関の官庁に伺うことを自分でこう呼んでいます。民間会社に長くいたせいで自然とそう思っていますし、自然と足を運びます。ともすれば各省庁の皆さんはわれわれ議員の要望には気軽にこちらに足を運んでくれます。しかし、それにかまけていては「営業」にはなりません。こちらからお願いすること、調べてもらいたいこと、これに対して自ら足を運びお願いするのが自然な姿だと思っています。特に私の個人的な願いでなく地域の代表としてお願いすることは、やはりこちらから伺うことが基本であると思っています。

 社会人となり御指導いただいた当時の上司はこうおっしゃいました。「門君、何か人に頼む時にこちらから足を運ぶのは当たり前。さらに人が何かを頼みたいと言われた時でも、こちらから訪ねて、その話をお聞きする。それほどの心構えがなければ商売は成功しない」と教えてくれました。松下幸之助さんの教えです。ありがたいことにこの精神が体に染みついています。それから政治の世界に入ってからは先輩議員から「『永田町』も『霞ヶ関』も革靴で歩くのでなく選挙の時と同じように『運動靴』で歩いて歩いて歩きまくれ」とも教えていただいております。

 地域の皆様と一体となって地域の困り事や悩みを解決していく。また県議会や市議会の皆様と協力して地域の可能性を探っていく、実現していく。このためにも今日もまた、本会議や委員会の合間を縫って私は、この東京で故郷の代表を自覚して歩いて歩いて歩いております。

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