政策転換で和歌山の発展を 捕鯨、観光…多方面で議論

鶴保 庸介

 ご無沙汰です。連休はいかがお過ごしだったでしょうか。

 さて、国会では不気味過ぎるくらい静かな日々が続いています。3月中旬にはなんの波風も立たず平成26年度予算が成立。ここのところ大きく取り上げられるのはTPP、集団的自衛権を含む憲法関連、ロシアによるクリミア編入問題くらいでしょうか。

 そんな中、今日この稿では私が今一生懸命取り組んでいる課題について簡単にご報告(ただし、道路整備等のインフラ関係はまた次の機会にしておきます)。

 まずは捕鯨問題。まだ記憶に新しいと思いますが、先般日本が南極海で行っている調査捕鯨について国際司法裁判所による中止判決が出されました。私にとってもきわめて不本意かつ受け入れがたい判決でしたが、この判決を受けて北西太平洋での調査捕鯨についても取りやめの可能性が一時取りざたされていました。連日、官邸に出向いたり、さまざまな関係者と次善の策を練っていましたが、われわれの行動が功を奏し、一部計画を縮小した上での調査捕鯨が継続されることとなりました。ご存じの通り、わが和歌山県は“鯨の県”。欧米の価値観の押しつけに断固立ち向かい、日本の伝統文化を守り抜くことは当然のこと、そろそろこの捕鯨問題にケリをつけるべき時が来ている、と現在も気を緩めずに協議を重ねています。

 次に中古住宅市場の活性化について。日本では新築の家を建てた場合、およそ30年で“評価額ゼロ”にまでなってしまいます。住まいを改築・リフォームした時、それをきちんと評価額に反映させるような制度を設計し、それを金融機関の担保評価に反映させたり、リバースモーゲージ(自宅を担保にした年金制度)を創設したりするなど、さまざまな手立てで新しい市場を創りだし、これからの日本経済を浮揚させる大きな材料にしたいと思っています。今後、自民党内で私のもとで小委員会を立ち上げ、議論を主導してまいります。

 次に観光。観光は安倍政権の成長戦略の一つにもなっており、私が国土交通副大臣の職に就いている時には、インバウンド(訪日外国人客数)1000万人の目標達成に向けてさまざまな手立てをうってきました。その甲斐もあってか、昨年は史上初めてインバウンドが1000万人を突破! タイ、ベトナム、マレーシアなど主にASEAN諸国からの訪日客数が大幅に増えてきています。ビザの発給要件を緩和したことがこれに大きく寄与しているところですが、現在、さらにもう一歩踏み込んでその他のASEAN諸国についても実現できないか、色々と奔走しています。治安の観点から一定の懸念はありますが、例えば“優良旅行者”のような認定制度を設け、これをクリアした方にはパスポートの有効期間内であればビザの手続きが不要になるような仕組みづくりはできないか、関係機関と調整中です。

 最後に鳥獣問題について。ご存じのように鳥獣被害防止特措法の制定を主導してまいりましたが、今般は環境省が鳥獣の「保護」から「管理」へと軸足を移す画期的な法律が成立いたしました。このことで大いに有害鳥獣の捕獲が進むものと思われますが、捕獲に際して必要な猟銃所持の許可や技能講習について、実態とかけ離れたあまりに現実味のない規制でがんじがらめになっており、猟友会の方々が有効に活躍できているとは到底言えないのが現状です。現在は銃刀法の改正に向けて主に警察庁と連日議論を重ねています。

 その他にも国会図書館に民放アーカイブの創設や入札制度改革、自動車整備業界の改革、半島振興法の改正など、ここでは紹介しきれませんでしたがさまざまなことに“手を染めて”います。いずれも国の政策を転換させることで、ひいては和歌山の発展につなげたい――そんな思いで毎日“がんばってます”。

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