危機対応できない政権 大震災と台風で得た教訓

大江 康弘

 台風12号は甚大な被害を与え、 大きな爪痕を残していった。
 改めて犠牲となられた皆さんに心から哀悼の誠を捧げるとともにいまだ行方不明者の方の一日も早い発見をお祈り申し上げ、 罹災者の皆さんに心よりお見舞い申し上げる次第である。

 3・11の東日本大震災や今回の台風12号、 15号を通じて改めて痛感したのは、 もちろん住民の一致団結した行動、 多くのボランティアの皆さんの誠心誠意の活動はいわずもがなであるが、 同時に、 最後に国民を守ってくれるのは自衛隊、 警察、 消防、 海上保安庁の皆さんであるということを現場や映像を通じて、 国民一人ひとりが再認識できたことは教訓として良かったと思う。

 また、 個人的な教訓として、 民主党政権が今頃になって道路が必要だ、 インフラ整備が大事だなどと、 当たり前のことを言い出しているが、 正に間近に感じる大きな犠牲がなければ、 まともな考え方になれないのか。
 一体、 衆議院選前から選挙を通して、 マニフェストで 「コンクリートから人へ」 などと、 バカげた公約を掲げ 「道路は無駄」 「ダムは造るな」 「公共事業は減らせ」 と票欲しさにキレイ事ばかり言い募り、 そのせいで今回の災害を通じて、 本来なら整備できていた箇所が工事が進まず、 また維持、 修繕しなければいけなかった箇所が補強できずに道路、 橋、 堰堤など基礎的インフラが寸断、 崩壊するなど被害を大きくしたのは正にこの2年間の民主党政権の不作為による人災と言えるだろう。

 また、 3年前にガソリン値下げ隊などという世論に迎合した議員団の集まりを作り、 3名の国会議員 (いずれもこの時が初めての和歌山入り) が那智勝浦町に来て 「那智勝浦道路」 を 「無駄だ、 贅沢だ」 などと批判して、 20分くらいで帰って行ったが、 その彼等が 「無駄な道路」 と切り捨てたこの道路が、 今回の台風災害時にどれだけ 「生命の道路」 として活用され地元の皆さんにとっては心強い存在であったか、 総理をはじめ政府関係者が多数現場視察に来たようだが、 民主党の関係者はこの事実を一体どう受け止めたのか、 それにどう答えるのか聞かせてもらいたい。

 あなた方がまずやらなければいけないことは票欲しさ、 政権欲しさにできもしない公約を掲げ、 その結果、 災害を大きくした事実をまず謝罪し、 反省するところからではないか。

 聞くところによると、 災害にあった市町村が国に陳情に行く場合も、 一日も早い復旧、 復興で 「スピード感」 を求められているにも関わらず、 陳情に際して、 「やれ県道を通せ」 「やれ誰に言え」 などと市町村長や関係者の迅速な動きにブレーキをかけるようなことを言っているとのことだが、 この期に及んで、 まだこんなバカげた対応を求めているのか、 一体何を考えているのか、 こんな危機の時こそ政治は真価が問われるが、 この政権には地元の皆さんの不安解消さえもできず、 危機対応、 危機管理なども全くできないということが改めてわかったのも教訓と言えよう。

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