未曽有の危機に気を緩めず 国民を守る異次元の対応を

門 博文

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い移動が制約されている中、もう1カ月以上も和歌山に戻れておらず忸怩(じくじ)たる思いで毎日を過ごしています。メールやファックス、地元事務所からの連絡等で和歌山の皆さまの要望や窮状をお伺いしております。東京にて鋭意、対応にあたっておりますが一日も早く和歌山に帰り皆さんから直接、お話を聞かせていただきたいと願っております。
さて新型コロナウイルスの影響は日本のみならず世界各国に拡がっています。生命や健康という面はもとより経済や教育、家族や人間性の在り方までさまざまな分野でさまざまな影響が発生しています。これまでも数々の自然災害やリーマンショックのような経済的危機を経験してきましたが今回の危機ははるかにそれらを超えています。今までの危機も甚大ではあったものの一定の地域に限定されていたり個別の産業に限定されていたものでした。しかし、この度のコロナ禍は日本では北は北海道から南は沖縄まで、その上、老若男女、例外なく全国民が影響を受けているという点ではこれまでの危機とは全く異質なものです。感染されたり、亡くなられた方々には心よりお見舞い、お悔やみを申し上げるところですが、感染防止のためいわゆる、「三密」を避けなければならないということは人が人らしい生活を送れないということです。何人(なんびと)も不自由な生活を余儀なくされています。世界中の多くの地域で同じ境遇を人類が共有しているのです。この禍を「戦争」と表現される方もいらっしゃいますがかつての「世界大戦」であっても地球全体が、人類全体がその戦禍に巻き込まれたことはなかったかと思います。しかし、今回のコロナ禍は人類すべてに影響しているという点では「戦争」以上のことですし今を生きている人類が初めて体験しているという点においてもまさに「未曽有の危機」であると思います。
そんな中、日本では国全体の努力の結果、このウイルスとの戦いにかすかな明かりが見えてきました。このところ感染拡大の勢いが確実に鈍化しており、この度「緊急事態」が39県で解除されました。しかし、それは蜃気楼のように一瞬にして消えてしまうのかもしれません。今後も気を緩めることなく完全なる収束に向け注意を払っていかなければなりません。
その上で大きく懸念されるのは経済の状況です。最近の予測ではわが国の成長率がこのコロナ禍の影響でマイナス20%になると発表されています。日本のGDPが約550兆円とすると実に110兆円、ちょうど政府の1年分の予算に匹敵する経済活動が毀損すると予想されているのです。国家予算の1年分が日本からなくなるということです。これはとても恐ろしいことです。このことに対処していくには今までの価値観や前例にとらわれない大胆かつ迅速な、そして異次元の対応をしていかなければなりません。そうでなければ経済的な「崩壊」を引き起こしてしまいます。医学的にウイルスには打ち克ったが経済的に敗北したでは済まされません。「一律10万円給付金」はもちろんのこと企業や個人、また個人事業者の皆さんへの資金繰り支援、「持続化給付金」や「雇用調整助成金」など予算の枠をさらに拡大して万全に備える必要があります。また家賃の補助や学生の皆さんへの支援もさらに拡大すべきです。第2、第3と次なる補正予算が必要です。財源の問題を懸念する声もありますが「国破れて財政健全化あり」では何のための政治なのかわかりません。国を、国民を守るために今こそ何が必要かということを改めて考えながらがんばります。
次回、この原稿をお届けする頃には感染拡大が一段落し反転攻勢の一歩が踏み出されていることを祈ります。自粛に耐えて一緒にがんばりましょう。

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