「わが街に世界遺産あり」 サミット開催期間に誘客を

鶴保 庸介

このたび第9回世界遺産サミットに出席してきました。
この欄で以前ご紹介申し上げたかと思いますが、私が国土交通副大臣のころのことです。世界遺産に登録されて最初の数年は人気があり、たくさんの観光客が訪れてくれますが、やがて訪問客数は減り、最初の頃の人気を当て込んださまざまな観光インフラが無駄になるというようなことが往々にして起こります。また当該観光地では、一時期のブームの時代にいわゆるオーパーツーリズムが起こり、日常生活に悪影響を及ぼすような事象が散見されることもわかってきました。
世界遺産サミットは、これらの問題について各自治体が問題意識を共有し、打てる手立てがあるならば国に対して共同して要望をしていくという活動が必要だろうということで、始めたものであります。
今回は富岡製糸場にて開催され、前日夜のレセプションは、一般では入れない時間の富岡製糸場内の施設で行っていただきました。
わが和歌山からも数十人の仲間が参加してくれ、大変思い出深いイベントとなったことをご報告しておきます。
ただ、言い出しっぺの私が言うのもなんですが、この世界遺産サミットは、世界遺産を擁する自治体がその悩みを共有しようということと同時に、わが街に世界遺産あり、ということを広く日本国中にアピールする良い機会だということが目的の一つでした。ですので、そのサミット期間中にはたくさんの観光客が訪れてくれるようなエクスカーションや工夫を凝らしていただきたいとかねてから思ってきました。今回はその趣旨に添い、地元富岡市や近隣の市町村もご協力をいただいたから良かったものの、こうした努力に気付いてもらうためにも、サミットにたくさんの方が訪れていただくことが肝要かと思いました。
第1回京都サミットでは二条城をライトアップし、薪能まで開催して総勢数百人からの訪問客があったように記憶しております。第2回の和歌山開催までは良かったのですが、第3回、第4回と回を重ねるにつれ、サミット開催地の優劣も影響しているのでしょうが、訪問客数が少なくなっているのが気にかかっております。
来年は斑鳩。ぜひ奈良県の文化、歴史を堪能しに行かれてはいかがでしょうか。来年11月、ぜひ皆さんとともにお目にかかれることを楽しみにしております。そして、日本にある25カ所の全ての世界遺産を1回は回る予定。今回は9度目ですから、あと少なくとも16回。個人的には楽しみにしております。

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